竹炭・竹酢液ができるまで工房竹炭日和

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原材料となる「竹」を切り出します。山林の保全のためには、竹がはびこりすぎるのはよくありません。山林の保全と竹の活用というエコ活動にもつながっています。

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切り出した竹を自然乾燥させてから、適当な長さに切り、さらにナタと金槌を使って割っていきます。

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ぎっしりと窯の中に積み重ねていきます

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この窯の内側はステンレスでできています。もともとは塩田で塩づくりに使用されていたステンレスタンクだったそうです。塩作りが行われなくなり、廃棄されそうになっていたものをもらってきたそうです。直径は1.5メートルくらいです。タンクを窯に再使用するという思いがけない例になっています。ステンレスの外側には耐火レンガや土が使われています。素人だった5人が力を合わせて作り上げたそうです。

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焚き口の準備作業です。言ってみればバーベキューコンロのようなものです。これで焚き口の通風をよくします。

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焚き口の火が、直接、竹にかからないようにするため、内蓋をします。内蓋は完全に封じるのではなく、上部に隙間をつくっています。ここから高温の空気(炎)が積み重ねた竹の上部にうつり、上部から下部にむかって燃焼していく仕組みだそうです。もし下から燃えていったら、下部の炭化した竹は、まだ生のままの上部の竹の重みで粉々になってしまいますし、炭ではなく、灰になってしまいます。

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外蓋を固定します。クランプで固定できるというのがステンレスタンクの再利用窯ならではです。

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火入れです。今年は初めての火入れから13年目、今回は132回目の火入れになります。これから3日間燃やし続けます。

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火入れしてから3時間くらいたつと、窯の後部煙突から煙が出てきます。

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さらに数時間経つと、窯後部煙突から「しずく」が落ちてきます。一滴、そして一滴としたたり落ちてきます。窯後部煙突からの「しずく」は炭の成分が多く混ざっていますので、竹炭日和では一般用の「竹酢液」としては販売していません。

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さらに燃焼を続け、窯が高温になってくると、窯の屋外にながーく続く、煙突から煙が上がってきます。この煙突の中で冷却され、「しずく」となったものが工房竹炭日和が一般用に販売している「竹酢液」になります。

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こちらから出てくる「しずく」は後部煙突からでてくるしずくよりも透明度が高く、さらさらとしています。この「しずく」が「竹酢液」の原液です。これがすぐに製品になるのではなく、さらにこの原液を2年~3年以上熟成させます。熟成されたものを選び、それを濾過して一本一本ペットボトルに手作業で入れていきます。ちなみにこのペットボトルは飲料用ボトルをリユースしたものです。

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一回の窯焼き作業には、竹林からの切り出し・乾燥から始まって、竹の製材、窯へ積み込み、3日間の燃焼と3日間の冷却が必要です。大人5人とこれだけの日数をかけてできる「竹酢液」は2リットルのペットボトル40本分にしかすぎません。


火入れから1週間後、窯が冷えたのを確認して、いよいよ窯を開けます。

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まずは外蓋を外します。

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続いて内蓋も外します。

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窯の中にいっぱい入っていた竹が半分以下の体積になっています。白く見えているのは灰になった部分です。

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窯の中に入って、竹炭を取り出します

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取り出した竹炭を選別していきます

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こちらが炊飯・浄水などに使われる竹炭になります。灰がついているので白く見えますが、一本一本磨いていくと黒光りした竹炭になります。

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こちらはもっと小さく砕いて土壌改良・家庭菜園用になります。

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「麦の穂」はつぶれないように竹の中にいれて、さらに金属ケースの中にいれて焼いています

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麦の穂が出てきました。とても繊細なものなので慎重に取り出します。

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麦の穂の「ひげ」もそのまま炭になりました。

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ガラスびんにいれて飾るといいですね

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麦の穂を入れていた竹もきれいな竹炭になっています。これは脱臭効果のある飾りとして使われます。

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この一斗缶の中には「ひょうたん」が入っています。

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ひょうたんの形のまま、きれいに炭になっています。

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持ってみるととても軽く「炭」になったことがよくわかります。

132回目の炭焼きは上出来の結果となりました。